アカデミアの皆様へ

若手メンバー 畠山 友孝

HATAKEYAMA Tomotaka
構造材料研究センター 材料評価分野
クリープ特性グループ 研究員

畠山友孝(若手メンバー:新)

特技
野球(NIMS野球部)、ランニング

守備位置、投打
外野手・投手、右投左打

欲しいもの
タイムふろしき

経歴
2008.4-2011.3
秋田県立大館鳳鳴高等学校
2011.4-2015.3
東北大学工学部材料科学総合学科
2015.4-2020.3
東北大学工学研究科知能デバイス材料学専攻
2018.5-2018.10
Karlsruhe Institute of Technology(ドイツ)留学
2020.4-2022.3
NIMS 若手国際研究センター ICYS研究員 アイコン_ICYS
2022.4-
現職 アイコン2_研究員 SAMURAI

 

畠山さんへQ&A

Q:学生時代について
A:高校野球をしていました。ベンチ入りすら叶いませんでしたが、厳しい環境で鍛えられた体力・精神力が、今の研究生活の基盤となっています。

Q:畠山さんの研究テーマについて教えてください
A:耐熱鋼のクリープ特性向上を目指して研究を行っています。火力発電プラントの効率は高温・高圧化により向上しますが、それに伴いクリープによる破壊のリスクが高くなるため、クリープ強度に優れた材料が求められます。既存の耐熱鋼をベースに、熱処理プロセスの改善やレーザー粉末床溶融結合法(三次元積層造形法のひとつ)を使った組織制御を行い、理想の組織を追求しています。

Q:研究を進める上で心がけていること
A:NIMSには世界一のクリープ試験設備があり、熟練のエンジニアの方々がクリープ試験を進めてくださるので、正確なクリープデータが得られます。その組織をNIMSの最先端装置(電子顕微鏡など)で解析することで唯一無二のデータとなりますが、この恵まれた環境に満足せず、どこまで独創的で面白い研究が出来るかが研究者としての腕の見せ所だと思っています。

Q:研究を進める上で苦労すること
A:火力発電プラントは数十年間にわたり運転されるため、設計の基準となる10万時間(約11.4年)のクリープ強度を得ることが目標となります。すべての試験で10万時間を目指すわけではありませんが、短い試験でも1本あたり100~1,000時間を要するので、試験結果がすぐに得られないことに少しもどかしさを感じることがあります。

Q:長時間の試験って必要?
A:一定の負荷が長時間続くという意味で、クリープはマラソンに例えられると思っています。筋骨隆々の短距離選手がマラソンでは活躍していないように、高密度の転位や微細な析出物で徹底的に強化した材料がクリープに強いとは限りません。高温で転位は回復し析出物は粗大化するからです。マラソンのオリンピック代表はマラソンで決まります。20キロでは不十分で、わざわざ42.195キロを走ります。同じように、10万時間のクリープ強度を知るには10万時間の試験が必要なのです。

Q:NIMSの魅力は?
A:大学での卒論・修論・博論といった年数が決められた研究とは違い、5年後・10年後に破断するようなクリープ試験など、長い期間(研究者人生)をかけて壮大な研究ができることが魅力です。若手にも研究費が潤沢に配分されることも魅力です。ICYS研究員として着任した学位取得後1年目から200万円/年の研究費をいただき、自分の裁量(責任)で研究を進めることができました。

Q:研究職を志望する学生さんへのメッセージ
A:多くの人とは違う道を歩みたい(それがカッコいい)と思い博士課程に進学した私にとって、研究室の先輩・後輩が多く在籍する鉄鋼メーカーや重工メーカーよりもNIMSの方がカッコいいと思いNIMSを志望しました。学位はあくまで通過点ですので、自分が満足できる進路を実現するために、研究に打ち込んでください。ただし、持続可能な研究生活のためには、ペース配分や趣味の時間も大切です。

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