OKADA Kazuho
構造材料研究センター 材料評価分野
鉄鋼材料グループ 研究員
経歴
2009.4-2012.3
広島学院高等学校
2012.4-2017.3
京都大学工学部物理工学科
2017.4-2022.3
京都大学工学研究科材料工学専攻
2019.4-2022.3
日本学術振興会特別研究員(DC1)
2022.4-
現職
岡田さんへQ&A
Q:学生時代をどう過ごしたか?
A:学部時代は体育会系の部活(ボート部)に熱中し、講義にはろくに出席もぜず留年しました。研究室配属後、幼少からの夢である研究者を目指して大学に入ったことを思い出し、研究にのめり込みました。研究って楽しいですね。部活に捧げた5年間も、研究に捧げた5年間も、そしてNIMSに着任してからも常に青春しています。何かに熱中するって幸せですね。
Q:NIMSを知ったきっかけは?
A:学生時代に指導してくださっていた先生がNIMSに移られたときに初めてNIMSの存在を知りました。その後、NIMSで実験をさせていただいた際、職員の皆さんが最新鋭の設備を活用して精力的に研究されている様子を見て、自分もこの中に加わりたいと感じました。
Q:NIMSの魅力は?
A:分野が近い研究者が多く、他のグループに所属する研究者の方とも日常的にディスカッションする機会があります。そのような機会が新たなアイデアの源となると同時に、身近なライバルに勝ちたいというモチベーションにも繋がります。若手支援も充実しており、着任初年度に1千万円の研究費をいただくことができます。学位取得後1年目に新しく打ち立てた研究テーマを大きく加速することができました。また、NIMSは教育機関ではないので、自分の研究を他人に任せることなく、自らの裁量・自らの手で進める場合が多いです。この点に関して絶対的な良し悪しは無いですが、私には合っていると感じています。
Q:どんな研究をしているの?
A:鉄鋼材料の水素脆化特性と疲労特性の向上を目指して研究を行っています。近年、自動車の燃費向上・衝突安全性向上の観点から、出来る限り高強度な鉄鋼材料を幅広く社会実装することが求められています。しかし、鉄鋼材料には、強度の上昇に伴って水素脆性破壊と疲労破壊のリスクが上昇するという問題があります。私は、強度上昇に伴う破壊リスク上昇の起源を根本的に明らかにすることで、高強度と耐破壊特性を両立するための組織制御指針を提案することを目指して研究を行っています。
Q:自分の研究の魅力は?
A:強い材料を自ら生み出せるという点です。幼少に見たアニメで「超合金」という言葉に惹かれました。従来の常識を覆す材料の創製に携われていることを誇りに思います。また、ただ新しい物を発見するだけでなく、新しい特性が発現した原理を解明し、他の材料にその原理を適用する道筋・可能性を示していくことが研究者の役割であると考えています。そして、「強い材料」に見合った「強い生物」になるために日々の筋トレは欠かせません。
Q:つくばの良いとこ・困ったこと
A:私の故郷である広島・西条も学生時代を過ごした京都も盆地なので、筑波山以外に目立った起伏がない風景には慣れません。ですが、つくばの夜は街が本当に暗くなるので、怖がりの妻が少し距離を縮めてくるのは私にとって良いことです。スーパーの生鮮食品も京都よりかなり安い気がします。
Q:研究者という職業の魅力は?
A:「人類未踏領域での大冒険」と「平凡な日常」という一見相容れない二つの要素が両立し得るという点が魅力です。未踏峰の制覇、遺跡でお宝大発見、ロケットで宇宙旅行、そんな大冒険に憧れますが生活・日常の全てを捧げなければ挑戦することすら難しいでしょう。家族や友人と過ごす何気ない日常も大切にしたい私には、そんなことはできません。しかし、研究であれば両立できます。知識・学問に空間的な制約はありません。太古から積み上げられた人類の英知の最先端で思う存分冒険し、帰宅すれば家族との和やかな日常が待っています。研究者は、私の欲しいものがすべて詰まった職業(趣味)です。